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伸膝台上前転のコツと練習方法を解説!膝を伸ばしてきれいに回るポイントを紹介

伸膝台上前転は、膝を伸ばしたまま跳び箱の上で前転し、着地する技です。
通常の台上前転よりも難易度が高く、「膝が曲がってしまう」「回転の途中で止まってしまう」と悩む子どもも少なくありません。
成功させるには、踏切から着地までの流れを理解し、膝を伸ばしたまま回転するコツを身につけることが大切です。
 
本記事では、伸膝台上前転の基本・段階的な練習ステップ・成功率を上げる4つのコツを解説します。
 

伸膝台上前転とは?

伸膝台上前転とは、跳び箱の上で膝を伸ばしたまま前転し、そのまま前方へ抜けて着地する技です。
通常の台上前転では膝を曲げて回転しますが、伸膝台上前転では回転中も着地直前まで膝を伸ばし続けます。
 
この技を習得するためには、通常の台上前転ができることが前提となります。
台上前転のコツは下記記事でも解説しています!
少しでも不安がある場合は、まず通常の台上前転をマスターしてから挑戦しましょう。

伸膝台上前転を身につける練習ステップ

伸膝台上前転は、段階を踏んで練習することで安全に習得できます。
ここでは、4つのステップに分けて練習方法を紹介します。

① 跳び箱に乗るためにしっかり踏み切りを跳ぶ

まずは、跳び箱の上にしっかり乗るための踏切を練習します。
ロイター板を使って両足で力強く踏み切り、腰を高く上げて跳び箱に向かう感覚を身につけましょう。
 
踏切が弱いと回転力が不足し、途中で止まってしまいます。
両腕を後ろから斜め前へ振り上げると、体が浮きやすくなります。

② 手をついて前転の流れに入る

踏切ができたら、跳び箱に手をついて前転の流れに入る練習をします。
手をついた瞬間に腕で体を支え、頭の後ろ側を跳び箱につけて回転を始めましょう。
 
この段階では膝を曲げた通常の台上前転で構いません。
手をつく位置と、腕で支えながら回転に入る感覚を優先して身につけます。

③ 膝を伸ばした姿勢で台から前に抜ける

通常の台上前転ができるようになったら、膝を伸ばしたまま回転する練習に移ります。
回転中は膝を伸ばし、股関節からたたむようにして前方へ抜けましょう。
 
膝が曲がってしまう場合は、回転のスピードが足りない可能性があります。
踏切を強くして、十分な回転力を得てから挑戦しましょう。

④ 最後に着地まで一連の動きを通す

各動作が安定してきたら、踏切から着地まで一連の流れで行います。
着地の直前で少し膝を曲げて足を引きつけ、両足で着地してバランスを取りましょう。
 
着地後にふらつく場合は、回転中に体の軸がぶれている可能性があるため、前のステップに戻って確認してください。

伸膝台上前転を上手にするコツ

伸膝台上前転は、基本の動作を覚えただけでは成功しにくい技です。
成功率を上げるためには、体の使い方やタイミングなど、いくつかのコツを押さえることが大切です。
 
ここでは、伸膝台上前転を上手に行うための4つのコツを紹介します。
 
ロイター版で踏切り、頭を跳び箱の上につけて台上前転を行う生徒とサポートする先生の様子

手を跳び箱の手前1/3に置く

手をつく位置は、跳び箱の手前1/3あたりを目安にしましょう。
手を奥につきすぎると、回転の途中で体が詰まってしまい、前に抜けにくくなります。
 
反対に、手前すぎると腕で体を支えきれず、頭から落ちる危険があります。
手前1/3の位置であれば、腕でしっかり体を支えながら、回転の流れを前方へ誘導しやすくなります。

腕の押しで体を上に浮かせてから前へ流す

手をついたら、腕で跳び箱を強く押して体を上に浮かせることが大切です。
腕の押しが弱いと、体が跳び箱に沈み込んでしまい、回転が止まる原因になります。 腕で押して体を浮かせたら、そのまま前方へ流れるように回転します。
「押して浮かせる」「前へ流す」の2段階を意識すると、スムーズな回転につながります。

股関節からたたむように回転する

伸膝台上前転で最も難しいのが、膝を伸ばしたまま回転することです。
膝を伸ばしたまま回転するには、股関節からたたむようにして体を折りたたむ意識が必要です。 膝を曲げて回転しようとすると、回転半径が小さくなり勢いが失われてしまいます。
股関節を支点にして、足先を頭の方向へ引きつけるイメージで回転しましょう。

視線は台の先を見る

回転中の視線は、跳び箱の先を見るようにしましょう。
視線が下を向いていると、体が丸まりすぎて回転の流れが止まりやすくなります。
 
跳び箱の先を見ることで、体が自然と前方へ伸び、着地に向けた流れが生まれます。
視線がどこを向いているかわからない場合は、動画を撮影してチェックするのもおすすめです。

伸膝台上前転で必要・鍛えられる力

伸膝台上前転を成功させるには、いくつかの身体能力が必要です。
これらの力は、練習を通じて鍛えることもできます。

前転がスムーズにできる背中の丸め

伸膝台上前転では、回転中に背中を丸めてスムーズに転がる必要があります。
背中が硬いと回転が引っかかり、途中で止まってしまう原因になります。
 
マットの上でゆりかご運動を行い、背中全体を使って転がる感覚を養いましょう。
背骨を一つずつ床につけていくイメージで練習すると効果的です。

腕で押すための肩・上腕の筋力

跳び箱の上で体を浮かせるためには、腕で強く押す力が必要です。
肩や上腕の筋力が不足していると、体が沈み込んで回転が止まってしまいます。 壁倒立や腕立て伏せで腕の筋力を鍛えましょう。
カエル倒立で体を支える練習も、腕の押しを強化するのに役立ちます。

股関節を折りたたむ柔軟性

膝を伸ばしたまま回転するには、股関節の柔軟性が欠かせません。
柔軟性が不足していると、回転中に膝が曲がってしまいます。
 
長座体前屈や立位体前屈で、太ももの裏(ハムストリングス)を伸ばすストレッチを日頃から行うと、よりきれいに回れるようになります。

台の上で安定するバランス感覚

跳び箱という不安定な場所で回転するため、バランス感覚も重要です。
台の上で姿勢を安定させられないと、回転の軸がぶれて失敗しやすくなります。 片足立ちやバランスボールを使った練習で、体幹を鍛えながらバランス感覚を養うのがおすすめです。
 
跳び箱の上で伸膝台上前転をするこどもの様子

伸膝台上前転を安全に練習するためのポイント

伸膝台上前転は高さのある跳び箱の上で回転する技のため、安全面への配慮が重要です。
けがを防ぎながら練習するためのポイントを紹介します。

台の高さは低めから始める

最初は跳び箱の高さを低めに設定して練習しましょう。
高い跳び箱でいきなり挑戦すると、失敗したときのけがのリスクが大きくなります。
 
低い台で動作が安定してきたら、徐々に高さを上げていきます。
焦らず段階的に取り組むことが大切です。

前後左右に十分なスペースを確保する

伸膝台上前転は、前方に抜ける技ですが、踏切や手のつき方がずれたり、バランスが崩れたりすると左右へぶれることもあります。
そのため、着地方向だけでなく、左右にも障害物がない広めのスペースを確保しましょう。
 
特に狭い台の上では体の軸がずれやすく、回転が斜め方向へ流れることがあります。
練習前には、周囲に器具・壁・人がいないかを必ず確認し、前後左右に余裕のある安全エリア を作ってから取り組みましょう。
 

伸膝台上前転に関するよくある質問

Q1.回転の途中で止まってしまい、前に抜けられなくなるのはなぜですか?

主な原因は「回転力の不足」と「腕の押しが弱い」ことです。
踏切が弱いと回転力が足りず、また手をついた際に腕で台を強く押せないと体が沈み込んで回転が止まってしまいます。
踏切で両腕をしっかり振り上げること、手をついた瞬間に台を押して体を浮かせ、前へ流す意識を持つことが大切です。

Q2.膝を伸ばしたまま回転するのが難しいのですがコツはありますか?

膝が曲がるのは、主に股関節の柔軟性不足か、回転半径が大きいまま勢いが失われているためです。
回転中は「膝を伸ばしたまま股関節からたたむ」意識を持ち、足先を頭の方向に引きつけるように体を折りたたみましょう。
日頃から長座体前屈などでハムストリングス(太ももの裏)の柔軟性を高めることが効果的です。

Q3.手をつく位置は跳び箱のどこが最適ですか?

手をつく位置は、跳び箱の手前1/3あたりを目安にしましょう。奥につきすぎると体が詰まって前に抜けにくくなり、手前すぎると腕で体を支えきれず危険です。
手前1/3の位置であれば、腕で体を支える力と、回転を前方へ流す力の両方をバランスよく使えます。

まとめ

伸膝台上前転は、跳び箱の上で膝を伸ばしたまま前転し、前方へ抜けて着地する技です。
成功させるためには、踏切の強さ、手をつく位置、腕の押し、膝を伸ばしたまま回転する体の使い方を身につけることが大切です。
 
練習では段階を踏んで一つずつ動作を確認し、コツを意識しながら繰り返し取り組みましょう。
柔軟性や腕の力が不足している場合は、ストレッチや基礎トレーニングを並行して行うと上達が早まります。
 
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