無理に伸ばそうとして痛みを感じたり、正しいやり方がわからず挫折してしまったりする人も少なくありません。
開脚ができるようになるには、正しい方法で継続的にストレッチを行うことが重要です。
本記事では、開脚ができない原因とスムーズにするコツ、柔らかくするためのおすすめストレッチ、安全に取り組むための注意点を紹介します。
開脚が苦手な人が多い理由
開脚に苦手意識を持つ人が多いのには、身体的な理由と心理的な要因があります。ここでは、多くの人が開脚を難しく感じる理由について詳しく解説します。
股関節や太ももが硬く動きに制限がある
現代の生活では、長時間の座り仕事やデスクワークにより、股関節や太ももの筋肉が硬くなりやすい環境にあります。特に股関節周りの筋肉は日常生活で大きく動かすことが少ないため、可動域が狭くなってしまいがちです。
また、運動不足により筋肉の柔軟性が低下すると、開脚時に必要な股関節の外転動作(脚を外側に開く動き)が制限されてしまいます。
この制限により、開脚の角度が広がらず、思うような成果が得られないことが多くあります。
腰や背中が丸まって正しい姿勢が取れない
開脚を行う際、多くの人が腰や背中を丸めてしまいがちです。正しい開脚では骨盤を立てて背筋を伸ばした姿勢が重要ですが、筋力不足や姿勢の癖により、適切なポジションを維持することが困難になります。
姿勢が崩れると、股関節から正しく脚を開くことができず、効果的なストレッチができません。
また、腰に負担がかかり、痛みや不快感を感じることもあります。
無理に伸ばそうとして痛みを感じやすい
開脚の上達を急ぐあまり、無理に伸ばそうとして強い痛みを感じる経験をした人も多いでしょう。痛みを伴うストレッチは筋肉を緊張させ、かえって柔軟性の向上を妨げてしまいます。
また、痛みによる恐怖心が生まれると、体が自然に緊張し、リラックスした状態でストレッチを行うことが困難になります。
このような悪循環により、開脚に対する苦手意識がさらに強くなってしまうのです。
開脚ができない主な原因
開脚がうまくできない原因を具体的に理解することで、効果的な改善方法を見つけることができます。ここでは、主な4つの原因について詳しく解説します。
股関節の可動域が狭い
開脚の最も重要な要素は股関節の可動域です。股関節が硬いと、脚を外側に開く動作(外転)が制限され、理想的な開脚角度に到達できません。
股関節の可動域は個人差が大きく、生まれつきの骨格や日常の動作習慣に影響されます。
しかし、適切なストレッチと継続的な練習により、多くの人が可動域を改善することが可能です。
太もも裏(ハムストリングス)の硬さ
太もも裏のハムストリングスが硬いと、開脚時に脚を伸ばすことが困難になります。ハムストリングスは歩行や立ち上がりなど日常動作で頻繁に使われる筋肉ですが、十分にストレッチされることが少ないため、硬くなりやすい部位です。
ハムストリングスの硬さは、開脚だけでなく前屈動作にも影響を与えるため、総合的な柔軟性向上のためにも重要な改善ポイントとなります。
内ももの柔軟性不足
内もも(内転筋群)の柔軟性不足も、開脚を困難にする大きな要因です。内転筋群は脚を内側に閉じる働きがあり、この筋肉が硬いと脚を外側に開く動作が制限されます。
内転筋群は普段あまり伸ばされることがない筋肉のため、意識的にストレッチを行う必要があります。
この部位の柔軟性が向上すると、開脚の角度は大幅に改善されます。
骨盤を立てられず腰が丸まってしまう
正しい開脚では、骨盤を立てた状態を維持することが重要です。しかし、腰回りの筋力不足や姿勢の癖により、多くの人が腰を丸めた状態で開脚を行ってしまいます。
骨盤が後傾すると股関節の動きが制限され、効果的な開脚ができません。
また、腰部に負担がかかり、痛みや不快感の原因にもなります。
スムーズに開脚するコツ
ここでは、開脚を効果的に行うための具体的なコツを5つ紹介します。これらのポイントを意識することで、より安全で効果的な開脚ができるようになります。

骨盤を立てて背筋を伸ばす
開脚の基本は正しい姿勢から始まります。骨盤を前傾させ、背筋をまっすぐに伸ばした状態を維持しましょう。この姿勢により、股関節が正しい位置に保たれ、効果的な開脚が可能になります。
骨盤を立てるコツは、坐骨(座った時にお尻の下で感じる骨)でしっかりと床を押すイメージを持つことです。
また、頭頂部から糸で引っ張られているような意識を持つと、自然と背筋が伸びます。
呼吸を意識しリラックスしながら行う
開脚中は深くゆっくりとした呼吸を心がけましょう。息を止めてしまうと筋肉が緊張し、柔軟性の向上を妨げてしまいます。
吐く息とともに少しずつ開脚を深め、吸う息で姿勢を整えるというリズムで行うと効果的です。
リラックスした状態でストレッチを行うことで、筋肉の緊張が和らぎ、より深い開脚が可能になります。
反動をつけずにじっくり伸ばす
開脚の際は反動をつけず、ゆっくりと静的にストレッチを行うことが重要です。急激な動きは筋肉を傷める原因となり、かえって柔軟性の向上を妨げます。
30秒から1分程度の時間をかけて、じっくりと筋肉を伸ばしましょう。
この間、筋肉の張りが徐々に和らいでいくのを感じることができれば、正しくストレッチができている証拠です。
毎日少しずつ継続する
柔軟性の向上には継続的な取り組みが不可欠です。1日に長時間行うよりも、短時間でも毎日続けることの方が効果的です。
1回10〜15分程度の開脚ストレッチを毎日継続することで、着実に柔軟性が向上します。
習慣化するために、決まった時間に行うことをおすすめします。
左右差を意識してバランスよく伸ばす
多くの人は利き足や姿勢の癖により、左右の柔軟性に差があります。開脚練習では、この左右差を意識し、硬い方により多くの時間をかけてバランスよく伸ばすことが大切です。
片側だけが柔らかくなると、体全体のバランスが崩れ、怪我の原因にもなります。
常に両側を意識し、均等に柔軟性を向上させることを心がけましょう。
柔軟性を高めるおすすめストレッチ
開脚の柔軟性向上に効果的なストレッチ方法を4つ紹介します。これらのストレッチを組み合わせて行うことで、総合的な柔軟性向上が期待できます。
前屈ストレッチ(腰を丸めず股関節から倒す)
開脚前屈は開脚と前屈を組み合わせたストレッチです。脚を開いた状態で座り、腰を丸めずに股関節から上体を前に倒していきます。
重要なポイントは、背中を丸めるのではなく、股関節を軸にして上体を倒すことです。
手は無理に遠くに伸ばそうとせず、自然に床につける位置で止めましょう。太もも裏と内ももを同時に伸ばせる効果的なストレッチです。
バタフライストレッチ
足の裏を合わせて座り、内ももをストレッチする方法です。足首を持ち、膝を床に近づけるように軽く押し下げます。
このとき、背筋は伸ばしたまま行い、呼吸を止めないことが重要です。
慣れてきたら、足裏を合わせた状態で前屈を加えることで、より効果的なストレッチができます。
股関節まわしストレッチ
立った状態で片足を横に上げ、股関節を大きく回す動的なストレッチです。前回し、後ろ回しの両方向に行い、股関節の可動域全体を動かします。
このストレッチは血行促進効果もあり、静的ストレッチの前に行うウォーミングアップとしても効果的です。
バランスが取りにくい場合は、壁や椅子に手をついて行いましょう。
タオル補助ストレッチ
柔軟性が不足している初心者におすすめの方法です。タオルやストレッチバンドを使って、手の届かない部位のストレッチをサポートします。
例えば、仰向けに寝て片足を上げ、タオルを足の裏にかけて手前に引くことで、ハムストリングスを効果的にストレッチできます。
無理な体勢を取らずに目的の筋肉を伸ばせるため、安全で効果的な方法です。

安全に取り組むための注意点
開脚ストレッチを安全に行うために、必ず守るべき注意点について解説します。怪我を防ぎ、効果的に柔軟性を向上させるために重要なポイントです。
ウォームアップ後に行う
ストレッチは必ず筋肉が温まった状態で行いましょう。冷えた筋肉をいきなり伸ばすと、筋繊維を傷める危険があります。
軽いジョギングやジャンプ、関節回しなどで5〜10分程度体を温めてからストレッチを開始しましょう。
入浴後の体が温まった状態も、ストレッチに適したタイミングです。
痛みを感じたらすぐに中止する
ストレッチ中に鋭い痛みや異常な痛みを感じた場合は、すぐに中止してください。「痛気持ちいい」程度の感覚は正常ですが、激しい痛みは筋肉や関節を傷めているサインです。
痛みを我慢して続けると、怪我や炎症の原因となり、かえって柔軟性の向上を遅らせてしまいます。
自分の体の声に耳を傾け、無理をしないことが大切です。
無理せず「心地よい伸び感」を目安にする
効果的なストレッチの目安は「心地よい伸び感」です。筋肉がじんわりと伸びているのを感じながら、リラックスして呼吸ができる状態が理想的です。
急激な変化を求めず、日々の小さな改善を積み重ねることで、着実に柔軟性が向上します。
焦らず、自分のペースで継続することが最も重要なポイントです。
開脚に関するよくある質問
Q1.なぜ開脚が苦手な人が多いのですか?
A. 股関節や太ももが硬く可動域が狭いこと、骨盤を立てて背筋を伸ばす姿勢が保てないこと、そして無理に伸ばそうとして痛みを感じてしまうことが主な理由です。現代の生活習慣や運動不足も関係しています。
Q2.開脚をスムーズに行うためのコツはありますか?
A. 正しい姿勢(骨盤を立てる・背筋を伸ばす)、呼吸を意識してリラックスすること、反動をつけずじっくり伸ばすことが大切です。また、短時間でも毎日続けること、左右差を意識してバランスよく伸ばすことも効果的です。
Q3.開脚ストレッチを安全に行うための注意点は?
A. 必ず体を温めてから行い、鋭い痛みを感じたらすぐに中止してください。「痛気持ちいい」と感じる程度の伸び感を目安にし、無理をしないことが重要です。
ウォームアップ後や入浴後に取り組むのが効果的です。
まとめ
開脚は股関節や太ももの柔軟性が必要な動作で、多くの人が苦手意識を持ちがちです。主な原因として、股関節の可動域の狭さ、ハムストリングスや内ももの硬さ、正しい姿勢の維持困難などが挙げられます。
スムーズな開脚のためには、骨盤を立てた正しい姿勢、リラックスした呼吸、反動をつけない静的ストレッチ、継続的な練習、左右バランスへの配慮が重要です。
前屈ストレッチ、バタフライストレッチ、股関節まわし、タオル補助ストレッチなどを組み合わせることで、効果的に柔軟性を向上させることができます。
安全に取り組むためには、ウォームアップの実施、痛みを感じた際の即座の中止、「心地よい伸び感」を目安とすることが大切です。
無理をせず継続的に取り組むことで、必ず改善が見られるでしょう。
正しい指導のもとで効率的に上達したい場合は、専門的な指導が受けられる体操教室の利用をおすすめします。
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