練習しても数歩しか歩けず、困っている方もいるでしょう。
しかし倒立がまだ安定してできない人でも、段階的に練習することで習得できます。
本記事では初心者向けに、倒立のコツや倒立歩行を習得するための練習法、注意点などを解説します。
倒立を習得するための練習
初めに説明する内容は、倒立を習得するための練習法です。倒立歩行を習得するための前提条件として、安定して倒立できる必要があります。
倒立ができない人はすぐに倒立を練習するのではなく、逆さまの状態に慣れることから始めましょう。
感覚が掴めたら、次は壁倒立で倒立をする動きの練習です。
壁があることで恐怖心も和らぎます。
下記にて具体的なやり方を説明します。
①ウォールウォークで逆さまの体勢に慣れる
まずはウォールウォークで逆さまの体勢に慣れる練習です。ウォールウォークは足を壁につけて徐々に上げていく方法のため、倒立が怖くてできない人でも取り組みやすい内容です。
初めに両手を床につき、足を壁につけて腕立て伏せの姿勢をとります。
それから徐々に足を壁に沿って上げ、同時に両手も壁に近づけていきます。
この動きを、体がほぼ垂直になるまで行ってください。
とはいえ、始めたばかりですぐに体を垂直にするのは難しいため、徐々に足の高さを上げて両手と壁の距離を近づけましょう。
練習して垂直の姿勢に慣れたら、両足を揃えてその体勢を保ちます。
ウォールウォークは、逆さまの体勢でいる感覚を掴むためにおすすめの練習法です。
倒立が怖くて勢いよく足を振り上げられない方は、ぜひこの内容から始めましょう。
②壁を使って倒立の動きと体勢維持を練習する
逆さまの体勢に慣れてその状態を保てるようになったら、次は背壁倒立をします。倒立をするための、両手をついて足を勢いよく振り上げる練習をすることが目的です。
壁があるため、倒れて怪我をしてしまう恐怖心も和らぐでしょう。
具体的なやり方は、まず両手を肩幅の広さで壁から少し離したところにつきます。
目線は、両手の間を見ます。
そして上げる足を後ろに引き、勢いをつけて上に振り上げてください。
重要なポイントは、前の足で地面を踏み込むことと、壁に足をつける勢いで蹴り上げることです。
また、両手をつく位置が近くても遠くても上手くいかないため、何度か試して丁度いい位置を見つけましょう。
自力で足を壁につけられない場合は、補助者の方が上がった足を支えて壁に近づけてあげます。
何度も繰り返し練習することで徐々に足が上がるようになるはずです。
補助なしで両足を上げられるようになったら、その状態をできる限り長く保ち、体勢を維持する練習をしましょう。
倒立をする際のポイント
きれいな姿勢で倒立するために意識すべきポイントが2つあります。倒立の姿勢を安定して保つために重要なことは、重心のバランスです。
倒立をするときは両手をハの字にし、目線は両手の間を見ます。
足を上げるときは肘を伸ばし、背中を反らさず体をまっすぐにしてください。
重心のバランスを崩さないためにも、両手に体重をのせて一直線の姿勢を保ちましょう。
目線は両手の間を見る
倒立をするときは両手を肩幅程度に開き、目線は両手の間を見ます。両腕で全体重を支える必要があるため、両手と目線の位置は重要なポイントです。
手をつくときはハの字で、指を開いて置きます。
肘を伸ばして指を開くと体のバランスがとりやすく、体勢を安定させられます。
顎は引きすぎても上げすぎても姿勢が崩れやすくなります。
肘を曲げず体をまっすぐにする
足を上げたら肘は曲げず、体をまっすぐに伸ばします。肘が曲がっていたり背中が反っていたりすると、体勢が安定せず崩れがちです。
そのため、重心を手のひらにのせて肩と両腕で体重を支えるようにします。
倒立が安定しないときは、重心の位置が原因である場合も少なくありません。
しっかり両手で踏ん張って肘を伸ばし、全身を伸ばして一直線であることが理想の体勢です。
倒立歩行を習得のためのステップ
倒立歩行を習得するためには、段階を追って練習する必要があります。初めから倒立して歩行するのではなく、壁を使って歩く動きの感覚を掴んでから実際に歩行する練習を始めましょう。
具体的な方法は、まず壁倒立で手ぶみしたり歩いたりして感覚を掴み、それから壁を使わない実際の歩行練習です。
基本から始めることで着実にステップアップでき、倒立歩行が習得できます。
①壁倒立で手ぶみする
最初に行う練習は、壁倒立での手ぶみです。倒立歩行は片手で体を支える瞬間が発生するため、まずはその感覚を掴むことから始めます。
壁倒立をして、その場で足踏みをするように片手ずつ上げます。
あくまでも片手を離す練習のため手を高く上げる必要はなく、少しずつ片手状態の時間を伸ばしてください。
歩行するようにリズムよく手ぶみできるようになることが目標です。
②壁をつたって歩いてみる
手ぶみができるようになったら、次のステップに進みます。壁倒立をしたまま、横に1歩ずつ歩いてみましょう。
支えなしでいきなり歩き始めることは恐怖を感じやすいため、壁を支えにして動作のコツを掴んでください。
初めのうちは壁をつたうように1歩ずつ、ゆっくり横に進んで動き方や重心移動のコツを掴みます。
場所の関係で片方だけに進めない場合は、左右両方に歩いても問題ありません。
目標は、最低でも10歩は安定して歩けるようになることです。
③壁から離れて歩く練習をする
壁を使って安定して10歩は歩けるようになったら、いよいよ壁無しで歩く練習です。最初は怖さを感じやすいため壁に近い位置から始め、慣れてきたら徐々に距離を広げていきます。
まずは壁から数歩離れた位置で倒立をして、2,3歩歩いて壁に到達します。
この練習を、ふらつくことなく壁に足がつくようになるまで繰り返し練習してください。
安定してきたら、歩き始める位置を少しずつ遠ざけます。
両手でバランスをとりながら歩く感覚が徐々に身についてくるはずです。
倒立歩行は、練習し始めてすぐに習得できる簡単な技ではありません。
しかし、毎日の練習を積み重ねることで成長していくため、焦らず地道に練習しましょう。
倒立歩行を習得するために家庭でできる練習
家庭で簡単にできる練習法は、壁倒立と壁つたいに横歩きすることです。保護者の方が傍につき、マットを敷いて安全対策を忘れずに準備した上で行います。
倒立歩行に重要な重心のバランスをとる練習として、腹を壁の方に向けた壁倒立がおすすめです。
床に両手をついて足を壁についた腕立て伏せの姿勢から、足を壁に沿って上げていき、手も壁に近づけて体をまっすぐにします。
また、その体勢で壁をつたいながら横に歩く練習も、歩行の動きを掴むために適しています。
上記の内容ができるようになったら壁から足を離す練習も加えてみてください。
倒立歩行を習得するための基本的な動作や感覚は、家庭でも身につけられます。
家庭での練習時に注意するべきポイント3点
最後に説明する内容は、家庭で練習するときに保護者の方が注意すべきポイントです。子どもの恐怖心を和らげたり怪我をする危険を減らしたりして、安全に練習できる環境を整えましょう。
具体的には練習前後のストレッチや補助者の確保などで、怪我をしにくい環境作りをします。
どれも難しい内容ではないため、必ず実施してください。
練習前後の入念なストレッチ
練習の前後では入念なストレッチが必要不可欠です。倒立や倒立歩行は、特に手首への負荷がかかりやすく、怪我をする可能性が十分にあります。
首回りや手首足首などは重点的に解し、怪我や腱鞘炎を予防しましょう。
疲れや違和感があったら、その日は練習をやめて休むことも必要な決断です。
安全な環境の準備
練習をするときは、安全な環境を確保しましょう。周囲に物があるとぶつかって怪我をする可能性があります。
そのため、棚やテーブルなどの家具がないスペースを準備してください。
また、バランスを崩して転倒したときのためにマットも敷いておきます。
子どもの安全を守るためにも、周囲の物を排除してマットを敷くことは必要な準備です。
補助者の確保
練習をするときは補助者が傍にいる状況で行います。近くに補助者がいると、バランスを崩して倒れそうなときにすぐ支えられて、子どもは安心できます。
まだ自力で上手く足を上げられない子どもの補助としてするべきことは、隣にいて足を上げるサポートです。
適切な支え方を事前に調べておき、子どもが徐々に自力でできるように支えてあげてください。
倒立歩行に関するよくある質問
Q1.倒立歩行を習得するには、どのくらいの期間がかかりますか?
A. 個人差がありますが、数週間〜数ヶ月ほどで歩けるようになる方が多いです。まずは壁倒立で体を支える感覚を身につけ、手ぶみや横歩きの練習を重ねましょう。
焦らず段階を踏むことで、安定して歩けるようになります。
Q2.自宅で倒立歩行を練習しても安全ですか?
A. できます。壁倒立や、壁づたいの横歩きなどは家庭でも安全に練習できる基本動作です。
滑りにくい床にマットを敷き、近くに保護者がついて行いましょう。
慣れてきたら、少しずつ壁から離れて歩く練習をすると効果的です。
Q3.倒立歩行を安定させるコツは何ですか?
A. コツは体をまっすぐに保ち、重心を手のひらでコントロールすることです。両手と目線の位置で三角形を作るようにし、肘を曲げず体を一直線に伸ばしましょう。
最初は壁倒立で姿勢を安定させ、片手ずつ手ぶみをする練習から始めると、バランス感覚が自然に身につきます。
まとめ
倒立歩行は時間がかかるものの、段階を追って練習を積み重ねることで習得できます。まずは安定して倒立ができるようにし、その後壁を使って歩く感覚を掴んでから実際の歩行練習に移ります。
練習は家庭でもできますが、その際は必ず周囲の安全を確保し、補助者をつけた状態で行ってください。
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