見た目が華やかで人気がある一方、高いジャンプ力と空中感覚が求められるため、難易度の高い技とされています。
また、動作のタイミングを誤るとバランスを崩しやすいため、ジャンプから着地までの流れを正しく身につけることが大切です。
「後ろに跳ぶのが怖い」「うまく回転できない」と感じる方も、基礎から段階的に練習すれば、安全に習得できます。
この記事では、バク宙のコツや練習方法、安全に行うためのポイントも解説します。
ぜひ自分のペースで、バク宙に挑戦してみてください。
バク宙とは
バク宙の正式名称は「後方宙返り」です。バク宙は、立った姿勢から後方にジャンプし、空中で体を一回転させて、地面に手をつかずに着地するアクロバット技です。
見た目のインパクトが強く、体操やダンス、チアリーディングなど、華やかさが求められる競技でよく使われています。
バク転との違い
名前の似ている「バク転」と「バク宙」の違いは、大きく2つあります。それは「後ろにジャンプする時の高さ」と「地面に手をつくかどうか」です。
まずバク転は、後方へジャンプして地面に手をつき、腕の反動を利用して体を回転させます。
一方でバク宙は、地面に手をつかずに空中で体を1回転させるため、より高いジャンプ力と空中での安定感が必要です。
そのため、バク宙より難易度の低いバク転を先に習得し、回転する感覚や後方への恐怖心を克服しておくと、バク宙へのステップアップがスムーズになります。
バク宙を安全に行うための注意点
バク宙は体全体を使うため、事前準備を怠るとケガの原因につながります。練習前には、必ずストレッチと練習場所をチェックしましょう。
まず、太ももや背中、足首、股関節を中心にしっかりと体をほぐします。
柔軟性が不足すると、回転や着地する際に関節へ負担がかかりやすくなります。
次に、練習場所の安全チェックが必要です。
周囲に障害物がないことを確かめ、床は分厚い体操マットやトランポリンなど、クッション性があるものを使ってください。 また、初めてバク宙に挑戦する際は、必ず補助者をつけましょう。
独学で行うと、ジャンプや着地のフォームが崩れやすく、転倒する危険があります。
体操教室やアクロバットクラスなど、専門の指導者がいる環境で練習するのが最も安全です。
バク宙の基本的なやり方と成功するコツ
バク宙の基本的なやり方は、以下の4ステップに沿って行います。- 両腕を後ろに下げながら膝を曲げる
- 両腕を振り上げながら真上にジャンプする
- 空中で背中を倒し、両膝を抱える
- 地面が見えたら両膝から手を離して着地する
では、基本的なバク宙のやり方と合わせて、成功しやすくなるコツも一つずつ解説します。
①両腕を後ろに下げながら膝を曲げる
まず、後方への高いジャンプに備えて、足に力をためていきます。直立の状態から両腕を後ろに下げて、同時に膝を軽く曲げて重心を下げましょう。
この時、上体を少し前傾姿勢にすると、次の動作に入りやすくなります。
②両腕を振り上げながら真上にジャンプする
次に、両腕を思い切り振り上げると同時に、全身の筋肉を使って真上にジャンプします。この時、後ろではなく「真上」にジャンプする意識が重要です。
後ろに跳ぼうとすると、変に体が反り返ってしまい、十分な回転力が得られません。
また、あごを軽く引くことで、次の膝を抱える動作に移りやすくなります。
③空中で背中を倒し、両膝を抱える
ジャンプして、空中で床と平行になる瞬間に両膝を手で抱え込みます。体を丸めて小さくすると、空中で回転しやすくなります。
万が一、両膝の抱え込みが遅れてしまうと、回転速度が落ちて着地が不安定になるため、動作は素早く行いましょう。
④地面が見えたら両膝から手を離して着地する
最後に、着地準備に取り掛かります。空中で回転をした後半に、地面が視界に入ってきたら、手を両膝から離し、そのまま足をおろして着地しましょう。
ただし、着地は一番ケガが発生しやすい動作です。
最後まで気を抜かずに集中し、膝を軽く曲げ、足の裏全面で着地し衝撃を吸収する感覚を意識しましょう。
バク宙を成功させるための練習方法3つ
ここまで、バク宙の基本的なやり方とコツを解説しました。しかし、やり方を理解できたからといって、いきなりバク宙に挑戦するのは危険です。
バク宙は、ジャンプ・回転・着地の動作を一度に行うため、空中での姿勢が安定しないと、転倒やケガの原因につながります。
そのため、まずは段階的に「体を丸める感覚」「高くジャンプする感覚」「回転のタイミング」を身につけることが大切です。
そこで、以下の練習方法を順に行い、バク宙での正しい体の動きを覚えていきましょう。
- マットの上で後転してイメージトレーニングする
- マットを重ねて後ろにジャンプする
- 補助付きでバク宙をやってみる
①マットの上で後転してイメージトレーニングする
まずは、マットの上で後転して、バク宙の感覚をつかみましょう。背中で地面を感じながら体を丸める動作を繰り返すと、回転の感覚を自然に身につけられます。
両膝を抱えるタイミングを意識すると、空中での抱え込みの練習にもなります。
はじめは焦らずに、小さく体を丸める動作を意識しましょう。
②マットを重ねて後ろにジャンプする
次は、分厚い体操マットを自分の背後に重ねて、後方へのジャンプを練習します。背面に体操マットがあるおかげで、安全に受け身が取れる状態です。
そのため、後ろにジャンプする際の恐怖心がやわらぎ、高くジャンプする感覚をつかむ手助けにもなります。
③補助付きでバク宙をやってみる
ある程度、ジャンプや回転の感覚がつかめたら、補助者に支えてもらいながら、実際にバク宙の回転にチャレンジしましょう。補助者は、バク宙する人の腰や太ももの裏を持ち上げ、ジャンプや回転の勢いをサポートします。
サポートを受けることで、安全に正しいフォームを体に覚えさせていきます。
慣れてきたら、徐々に補助を減らし、自力で回転できるよう練習を重ねましょう。
体操教室によっては、年齢やレベルに応じて補助の強さを調整してくれる場合もあります。
バク宙に関するよくある質問
Q1.バク宙が怖くて後ろに跳べません。どうすればいいですか?
A. いきなり後ろに跳ぶと恐怖心が強く出てしまいます。まずはマットの上で後転する、マットを重ねて後ろにジャンプするなどの練習から始めてください。
体を丸める感覚や後方への動きに慣れることで、少しずつ恐怖心を克服できます。慣れてきたら補助者と一緒に練習するのがおすすめです。
Q2.バク転とバク宙は何が違うのですか?
A. 一番の違いは手をつくかどうかです。バク転は地面に手をついて回転しますが、バク宙は手をつかずに空中で一回転します。そのため、より高いジャンプ力と空中での安定感が必要です。
まずはバク転で回転感覚をつかんでから、バク宙に挑戦すると安全にステップアップできます。
Q3.バク宙を安全に練習するために気をつけることは?
A. ストレッチと安全な環境の確保が最優先です。体が硬いと回転時に関節を痛めることがあります。
練習は必ずマットなどの柔らかい場所で行い、周囲に障害物がないことを確認しましょう。
初めて挑戦する際は、体操教室などで指導者の補助を受けるのが最も安全です。
まとめ
バク宙は、立った姿勢から後方にジャンプして空中で一回転し、手をつかずに着地するアクロバット技です。華やかで憧れる人も多い一方で、高いジャンプ力や空中の安定感が求められる難易度の高い技です。
段階的に練習を進め、体の使い方やタイミングを正しく身につければ、無理なく習得できます。
ただし、自己流でのバク宙の練習はフォームが崩れやすく、ケガのリスクも高くなります。
そのため、専門の環境で正しい動きを学ぶことが大切です。
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